農福連携に取り組む事業所に関するデータベース化に当たっては、取組事例が少ない、あるいは優良事例が相対的に多くない都府県においては、都府県の農業関係者や福祉関係者、協会会員等からヒアリングを行い、取組事例のリストを作成して、農福連携都道府県ネットワークを通じて、調査票を配布し、基礎的なデータに関する調査を実施した。
他方で、農福連携に取り組んでいる優良事例では、様々な関係者とのネットワークがあり、建設的に地域内での交流を実現させている例も少なくないと考えられる。このようなネットワークは単に障害福祉サービス事業所の作業請負数や障害者の人数だけを追っても理解が十全にできないと予想された。このため、データベース化においても、地域と密着したネットワークが具体的な形で見えてこないと、優良事例の類似形を増やしていくのは難しいとも考えられた。したがって、農福連携の取組が先進的な都道府県においては、農福連携の基礎的なデータベースを構築するだけでなく、農福連携に取り組む主体が構築しているネットワークについて、優良事例を中心にできるだけ地図情報に落として、データベース化していくこととした。
こうした、農福連携に取り組む主体と周囲との関係を地図情報として全県的に整理を行えれば、今後、どこでどのような形の農福連携を推進すればいいか判断するための重要な判断材料になることが期待される。また、これから農福連携の取組を拡大しようとしている主体においては、自分達が目指したい優良事例が、実際にどのような関係を周囲の主体と構築しているかを知ることができれば、今後の周囲との関係構築を進めるに当たって有効な指針になることが期待される。
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