
会長理事 皆川 芳嗣
日本農福連携協会会長の皆川です。2018年11月の協会設立から丸7年が経過しました。この間「農」と「福」に橋を掛けることで、障害のある方々の活躍、QOLの向上、農業経営や地域社会の維持・発展等を目指して活動してまいりました。多くの方々のご理解、ご協力のおかげで協会も農福連携も大きく前進することが出来ました。心から御礼申し上げます。
しかしいつも順風満帆であった訳ではありません。2019年に政府の農福連携等推進会議が「農福連携等推進ビジョン」を策定し、官民挙げて取り組みを強化しようとした矢先にコロナ禍が社会を襲いました。農福連携の現場でも多くの困難に立ち向かわなくてはなりませんでした。しかし関係者の努力によってコロナ禍で生じた社会の分断や隔離を乗り越えて、この数年で農と福の連携は大きく進みました。今では農福連携の全国の取組主体数は10,000に近づいています。また当初ノウフクという言葉の認知度も低く、どう始めて良いのか戸惑う方も多くいらっしゃいましたが、相談窓口の設置や農福連携技術支援者の育成等によって新たに農福連携にチャレンジしやすい環境が整いつつあります。
協会では農福連携を実践する方々のプラットフォームとして、毎年各地でフォーラムを開催して、開催県の知事を始め自治体のトップや関係省庁、学者、消費者、企業、経済団体の方々を招き農福連携の素晴らしさを全国に向けて発信してきました。また協会会員の困り事解消の一助として農福商品のネット販売サイト(JAタウンの農福市場)の運営もさせていただいています。協会には、農福連携のレジェンドと言ってよい毎年のノウフクアワードの各賞受賞者の皆さんから最近農福連携を始めた方々まで幅広い会員がいますが、さらに多くの農福の仲間に協会に加入いただき、一層力強く農福連携の広がりと質的向上に努力したいと思っています。
さて2024年には政府において農福連携の未来に意味を持つニつの大きな動きがありました。先ず5月には農政の憲法とも言われる食料・農業・農村基本法の改正が行われ新たに農福連携の推進を図る旨の条文が盛り込まれました。農業・農村の持続可能性の観点で農福連携の重要性が示されたものと評価しています。また6月にはビジョン策定から5年が経過する中で新たな社会的課題に対応しつつ「農福連携等推進ビジョン」の改定が行われました。具体的には、農福連携を通じた地域共生社会づくりを目指して、「地域で広げる〜点的な取り組みから地域への広がりへ」「未来に広げる〜未来の担い手の育成と新たな価値の発信」「絆を広げる〜ユニバーサル農園の拡大と「農」「福」の広がりの発展」の三つのアクションを通じて取組主体数を12,000に拡大、地域協議会参加自治体数を200以上とする目標を掲げています。併せて11月29日を「ノウフクの日」に設定することも盛り込まれました。関係者として農福連携への期待の大きさに嬉しさとともに責任の重さを痛感しています。
私は常々ノウフクには地域を救い日本を救う力があると申し上げてきました。今こそその力を皆さんと手に手を繋ぎながら発揮しようではありませんか。協会もそれを支えることに全力を尽くす事をお誓いしご挨拶といたします。
